UI ログの概要

UIログの概要

UI ログを使用すると、選択したユーザーグループのユーザーアクションとSAPトランザクションを測定して記録し、インターフェイスを効率的に設計するための基礎資料として利用できます。 測定データは、特に長い時間量を費やしているトランザクションとダイアログステップを表示します。 UI ログのテーブルとダイアグラムを使用してデータを分析し、個々のトランザクションのフローを表示することで、課題を特定し、最適化のアイデアを導き出すことができます。

また、「クイックアクセスメニュー」、及び、「トランザクション統合画面」の自動生成も可能です。 測定データに基づいて、GuiXTスクリプトを自動的に生成し、必要なトランザクションを「クイックアクセスメニュー」に、また入力項目を「トランザクション統合画面」に含めることが可能です。

その他のUI ログの活用方法として、S/4HANAシステムとSAP ERPシステム等、異なるシステムやリリースにおけるシステムテストのロギングやプロセスの比較ができます。ユーザー時間とシステム応答時間の両方が記録されます。



データ保護

すべての記録は匿名で行われ、ユーザー名やIPアドレスは記録されません。ただし本番稼働システムで使用する場合は、当事者の情報を確認し、慎重に計画して社内で調整する必要があります。測定用に選択されたトランザクションの入力データも記録されるため、データ保護の側面も考慮する必要があります。

測定データは、SAPテーブルに一元的に保存され、SAP認証システム内で保護できます。データは、プロジェクト単位で削除することが可能です。

テクノロジー

測定データは、SAP GUIプロセス内のGuiXTによって収集されます。つまり、サーバーベースのソリューションとは異なり、項目入力レベルでの測定が可能となっています。測定データは設定可能な時間間隔で、RFC(リモートファンクションコール)経由でSAPテーブル /GUIXT/LOGに保存されます。

制限事項

各項目やテーブルの全ての入力、プッシュボタン、メニュー選択、タブ変更、項目ヘルプ(F1)と入力ヘルプ(F4)を含むファンクションキー等のユーザーアクションが記録されます。

“グリッドコントロール” や “ツリーコントロール”などの特別なSAPコントロール内のアクションは現在のところ記録されません。

パフォーマンスとデータ量

UI ログは、数百万のデータレコードであっても正確な応答時間で測定されます。そのため1週間に10~20人位のユーザーアクティビティが測定に問題を引き起こすことはありません。測定は、プロジェクトと評価対象期間を設定することが可能です。

非常に大勢のユーザーを永続的に測定すると、得られるデータ量が膨大になりシステムに負荷がかかりますので避けてください。10~20ユーザー数程度であれば、測定によるシステム負荷やユーザーPCの速度遅延のどちらも影響を受けません。

必須条件

  • SAP ERP または S/4HANA
  • SAP BASIS Rel. 7.40
  • SAP GUI Rel. 7.60
  • GuiXT version 2020 Q3 4
  • スクリプトエディタPro 2020 Q3 2(スクリプト生成部分で必須)

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